サプリメントとは

サプリメントとは、英語で「補うこと」を意味し、不足しがちな栄養素を補う目的で作られたものです。代表的な成分にビタミン、ミネラル、アミノ酸などがあります。
サプリメントは薬のような病気の治癒を目的としたものではなく、あくまでも健康を補助するもので、足りない栄養を補給することで、免疫力や抵抗力を高め、正常な状態に戻す役割を担っています。
そのため強い副作用の心配がなく、比較的安価で入手できます。多忙な現代人にとって、不足している栄養素を手軽に選んで摂取できるサプリメントは必要不可欠な存在になりつつあります。

近年、日本の食生活は栄養が不足している傾向にあるといわれています。その原因として、ライフスタイルの変化により、食生活が欧米化し、脂質や糖質の割合が増え、栄養が偏りやすくなりました。
またレトルトや加工食品、スナック菓子やファーストフードなど、手軽に食べられる食品が増え、これらは着色料や保存料といった添加物が多く含まれ、健康を阻害します。
そういった栄養不足の背景から、最近は健康ブームで、病気の予防や健康管理への意識が高まっています。メタボや体調不良を気にする人が増え、サプリメントに大きな注目が集まっています。

サプリメントの種類

サプリメントはその製法から、天然物と合成物に分類されます。天然物は体内への吸収率が高く、品質の面で合成物よりも優れています。一方、合成物は原料に石油などが使われ、天然物に比べて安価で販売されています。
現在、日本で流通しているサプリメントのほとんどは合成物です。天然と合成の見分け方としては、合成物は均一な色をしており、見た目がとても整っています。
一方、天然物は天然の原料が加わるため、複雑な色をしています。そして、合成物はほとんど無味無臭ですが、天然物は独特なにおいがあり、味も不味いのが特徴です。
サプリメントは様々な形状のものがあります。一般的によく見かけるのがタブレット(錠剤)タイプです。
他に、水などに溶かして飲む粉末タイプや液体タイプ、栄養ドリンクなどのドリンクタイプ、水なしで噛み砕いて飲むタイプのチュアブルタイプや、ゼリータイプなどがあります。

サプリメントの分類

サプリメントは目的によって3つに分類されます。それは、「ベース・サプリメント」「ヘルス・サプリメント」「オプショナル・サプリメント」です。
「ベース・サプリメント」とは、足りない栄養素の補充を目的としたサプリメントのことです。健康の土台を作り、代謝機能を正常に保つ働きを持ちます。「ヘルス・サプリメント」は健康維持、増進を目的としたサプリメントです。栄養のバランスを調整し、免疫力などを補助する働きを持ちます。
「ベース・サプリメント」でしっかりと基礎を作ることで、より効果が発揮されます。「オプショナル・サプリメント」は症状の改善を目的としたサプリメントです。
伝統医療や民間医療として伝わり、医薬品のような働きを持ちます。副作用の心配があるため、服用の際は注意が必要です。

また、サプリメントだけに頼るのではなく、栄養はきちんと食事から摂ることが大切です。サプリメントは栄養を補助するものです。サプリメントだけで健康になることはできません。
サプリメントの種類によっては、他の栄養素と一緒に摂取しないと吸収されないものがあるため、サプリメントは食後に摂取します。その際は水かお湯で飲むことがおすすめです。

サプリメントの注意点

サプリメントは医薬品に比べて副作用が少ないとはいえ、100%安全なわけではありません。サプリメント先進国のアメリカでは、副作用の問題が少なからず起きています。中には死亡例もあることから、サプリメントの摂取には注意が必要です。
サプリメントが身体に異常を起こす原因として、過剰摂取が挙げられます。ビタミンの過剰摂取によるビタミン過剰症は、脂溶性のビタミンA、D、Kに起こりやすい性質があります。
水溶性のビタミンは余分な量は尿として排出されるため、過剰症になりにくいのですが、脂溶性のビタミンはしばらく体内に貯蔵されます。
ビタミンAを過剰摂取すると、頭痛、吐き気、食欲不振、皮膚の乾燥などの症状があらわれます。また、人によっては適量の摂取でも異常を起こすことがあります。
とくに糖尿病や腎臓病などの持病がある人は、摂ってはいけない成分があるので、必ず医師に相談してから摂取するなど、充分な注意が必要です。