アサガオの効能

前項まで薬草としても有名なタンポポを取り上げて説明してきましたが、そもそも「薬草」は、世界各地で古来から用いられた長い歴史があります。
現代医学において、薬草から発見された重要な医薬品が数多く存在します。
特に中国では、それが漢方薬という独自の体系へ発展してきました。植物がその栄養素としての成分のほかに、体に対し何らかの作用をもつものが薬草ということになります。それでは代表的な薬草をいくつか紹介しましょう。

アサガオ

日本のどこにでも見られ、非常に多くの品種があります。原産地は熱帯アジアで、日本へは、奈良時代に唐から渡来したと推定されています。
ツル性の1年生草本で、茎は長くのびて、左巻きに支柱に巻きつき、長さは2m以上に達します。アサガオの花は、早朝に咲き、午前中にしぼみます。
朝顔は別名「牽牛」といい、 朝顔の種が薬として非常に高価で珍重された事から、贈答された者は牛を引いて御礼をしたという謂われがあります。
その種子は「牽牛子」 (ケンゴシ)といって、強い下剤として用いられます。市販薬としては、ウエストンSの成分として配合されています。

アロエの効能

アロエは、原産地の南アフリカを中心に300種以上が知られています。このうち、一般的に薬用として使用されているのは「キダチアロエ」(正式にはキダチロカイ)です。
「アロエ」をアラビア語で「ロエ」といい、中国で当てはめられた漢字の日本語の音読みでアロエとなりました。 鑑賞用として 家庭でも多く栽培されている多年草で、多肉質の葉は剣状・断面は半円状・縁に鋭いトゲがあります。
またよく「医者要らず」とも言われ、医療面でも多くの使い道があります。
成分としては、アロエエモジン・バルバロイン・乳酸マグネシウムなどの緩下作用を持つ成分とアロインなどの苦味健胃成分を含んでいます。

イチョウの効能

秋になると黄色く紅葉し、馴染み深い「イチョウ」は、日本では昔からその実の「種仁」を咳止めとして利用してきました。
しかし、ヨーロッパでは「イチョウ葉エキス」が「ぼけ」の薬として広く使用され、30年の実績があります。
この「イチョウ葉エキス」は「デポニン」「タナカン」「ローカン」などの商品名で「ドイツ」や「フランス」で大量に使われている医療用の医薬品です。
さらに「イチョウ葉エキス」は、アメリカで「脳内活性食品」としてブームを起こし、大きな市場を形成しています。
世界ではすでに1500億円といわれる売上があると言われる「イチョウ葉エキス」ですが、世界一の高齢化社会になりつつある日本でも、昨年から徐々に注目を集めてきました。
日本では、医薬品として認可されていないため「健康食品」として各社から発売されています。
主な成分は、ルテオリン、ビロベチン、ギンケチン、ケンフェロールなどの多くのフラボノイドです。